非常用

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（無題）
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紅い悪魔は問う

どこの迷い子かしら？

あなた、ここがどこかわかった上で侵入したの？

彼女は更に問う

飢えた乳飲み子のつもりか・・・はたまたそれ以上の馬鹿か・・・

このまま血の代償として案山子にするのは簡単、でもそれでは芸も品も無いわね

彼女は続ける

あなた、私の要求に答える気はあるかしら？

それはうなずいた

いいわ、あなた。

彼女は誰にでもわかる簡潔な言いまわしで要求を口にする

私はね、よくお茶を飲むの。よく愚かな吸血鬼と勘違いされるけど、条件が調えばあなたのような人間と同じような食事ができるの。私の使用人、といってもれっきとした人間よ？Housemad of sleeplessが煎れてくれるお茶はとてもおいしいの。

・・・いきなり話が横道にそれたわね、私の悪い癖だわ。

それは聞き返す

あら、あなたに発言権は無いわよ。黙って私の用件を聴いていればいいの

Red cyanは続ける

私はね、真っ赤なVenisonの匂いが漂った紅茶を飲んでみたいの。あなたの住んでいる世界にはそれがあるのでしょう？

・・・・・・

要するに私の要求はこう、今すぐとはいわないわ。私のもとにVenisonを３つ持ってきなさい、それであなたの愚考は見逃してあげる。どう？悪い条件じゃないと思うけど。

俺を殺さないのか・・・？

このわたしに何度も同じことを言わせるつもり。あなたは言われた事も咀嚼（そしゃく）できないほど頭が鈍いのかしら？

本気で言ってるのか？俺を見逃すと？

・・・ふぅ。やっぱり人間って疲れる生き物ね、なぜ多くの物事を知りたがる分際でその１割も理解しようとしないのか。

いいのか、二度と戻らないかもしれないんだぜ？

ただで帰すと思ってるところも浅ましいわね。

そういってRed cyanは形容しがたいものを差し出す

なんだ、これは？

あなたが馬鹿な事を考えさせないようにするお守りよ。それが手元にあるかぎり嫌でもここに戻ることになるでしょうから。

なんだ・・・？くっ、はずれない！！

無理にはがそうとしても無駄よ、その鉱物の名前を言わない限りは。

なんだと！？くそっ！はずせ、はずすんだ！！

おだまり、愚鈍な人間。わかったらとっとともとの世界に戻って用件どおりのものを持ってきなさい。

くそ！・・・わかった、条件はのんでやる。そのかわり、それが済んだらこれをはずしてくれることを約束してくれ。

約束・・・ねぇ。あなた、自分の立場がわかってるのかしら？あなたは私の領域を犯した侵入者、つまり罪人ね。そのどうしようもない存在に慈悲をかけているのよ？ここまで言わせてまだそんな事を言い続けるのかしら？

・・・・・・っく！

それはこの紅い、あまりにも紅い空間から出て行った。はたしてこれは目的をはたすのだろうか？

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