東京の下町で妻の育代(原日出子)と共に小さな運送会社を切り盛りしている高田京太郎(高橋克実)のもとに、ある晩、従業員が交通事故を起こしたとの連絡が入ってきた。高田と育代が特に目をかけていた宮下健次(斉藤祥太)の運転するトラックが、住宅街で民家の門に突っ込んだというのだ。
翌日、高田がその家に住む山西勝子(野村真美)のもとに謝罪に訪れると、勝子は怒るどころか、事故を起こした宮下のことを気遣い、補償も修理費だけでいいと話す。夜になって大阪出張から帰ってきた勝子の夫・山西省三(近江谷太朗)の対応も同様で、高田はそんな2人に感激する。
事故から5日後、高田は同僚の佐々(松江健)を同乗させるという条件付きで、宮下を仕事に復帰させた。ところが、真夜中に佐々から電話がかかってくる。宮下が山梨県・小淵沢のドライブインでこつ然と姿を消してしまったというのだ。深夜1時半頃に小淵沢のドライブインに着いたが、宮下が電話をかけるというので自分だけ先に建物に入ったところ、そこから宮下の行方がわからなくなってしまったということだった。
翌朝、小淵沢の崖下から宮下の遺体が発見された。