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梅沢夢太郎はタクシーの見習い運転手。もともと夢太郎は警察官だったが、生まれつきのお人好しが災いして詐欺師の片棒を担いでしまい、警察を辞めるはめに。途方に暮れた夢太郎は足の向くまま熱海にやってきた。そこでタクシー運転手・前川新之助の温情に触れ、夢太郎はそのまま見習いとして働くことになった。なんとか仕事に慣れてきたころ、夢太郎は新之助の腕に傷跡を発見した。
それは７年前、夢太郎の後輩警察官・野々村主水が通り魔に遭った時、捕り逃がした犯人が受けた傷の形と同じものだった。主水は事件以来ずっと犯人を追っていたが、未だに手がかりがつかめずにいたのだった。夢太郎は新之助の家を訪れ、なんとか彼の指紋を取ろうと試みた。夢太郎が新之助の指紋がついたコップを手に入れたと同時に、拳銃を持った二人組の男が新之助の家に押し入ってきた。その二人は逃走中の銀行強盗犯だった。