返信

元商事会社社員・今泉が密室で殺され、八木沢、村岡両刑事らが捜査を開始。被害者が現社長の名取輝夫の身辺をかぎまわっていたことを知った。輝夫は二年前に山梨の別荘近くで轢き逃げされて死んだ先代社長の娘・葉子をめぐってライバルの小磯勝弥を蹴落とし、入り婿になった男だった。
その後、小磯は会社を辞めて独立していた。今泉はどうやら輝夫が先代社長を殺した証拠をつかんでいたらしい。八木沢は輝夫が轢き逃げ事件当日の行動をネタにホテルの女性従業員にゆすられていること。鈴木添子という若い女と人目をしのぶ仲であることなどを探りだしたが、確証をつかむため泳がせていた。
ところが、その輝夫が何事かを調べに行った鳥羽の水族館から帰った直後、カギのかかった自宅の温室の中で死体となって発見された。死体の上には色とりどりの風船が浮いていた。マイペースで捜査を続ける八木沢はやがて複雑な密室トリック殺人の全容をあばくのだった・・・。