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社長のほかは社員が１人だけ、相変わらず家賃も払えない火の車のフレンド旅行社に正規料金のほか礼金百万円という耳寄りな話が舞い込んだ。社長の浅村と社員の倫子が申し込み者の影山久太郎に会ったところ、山口県萩出身の影山家は平家にゆかりのある一族で、各地に住む親族６人が病床にある当主の源治郎を見舞いかたがた壇ノ浦をはじめ平家ゆかりの地をまわりたいというのだ。
参加者は当主の甥・幸司と婚約者・順子、当主のいとこ厚男、同じく甥の忠志、同じく義妹・伊佐子らだった。下関で影山家出入りの陶芸家・加沢も挨拶に来た。翌日、所用で遅参するといっていた久太郎が赤間神社で死体となって発見された。警察は、３０億円といわれる源治郎の遺産を狙った犯行とみてツアー参加者を捜査したが続いて秋吉台で伊佐子が死体となって発見された。