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一人娘・美穂子と木曽路に“定年旅行”をしていた元刑事・東健太郎が、恵那市内で何者かに轢き逃げされた。
健太郎をオヤジと慕っていた警視庁捜査一課の井野拓也刑事は直ちに収容先の病院に車を飛ばしたが、到着直後、担当医師の野口から死亡を告げられた。
何の手掛かりもないまま二年が過ぎたある日、井野は偶然かかわった空き巣事件から轢き逃げを強要し承諾する二人の男の会話をおさめたテープを入手した。
調べによってそれは健太郎の轢き逃げに関するものと判明した。
数日後、そのテープを持っていた轢き逃げ実行犯の栗山が恵那の名勝・寝覚の床で死体となって発見された。
美穂子と共に現地に飛んだ井野は驚くべき事実をつかんだ。どうやら健太郎は人違いで轢き殺されたらしいのだ。
犯人のターゲットは健太郎とよく似た自称ルポライター。
本職はゆすり屋の米谷だったことが判明した。
そしてその米谷もマンションから転落死した。
捜査を進める井野は巧みなトリックを見破り、恐るべき連続殺人事件の真犯人をつきとめるのだった。