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殺人の罪で服役中の元刑事、一刀猛（佐藤浩市）が仲間三人と脱獄する。
きっかけとなったのは音信不通だった元婚約者・愛子（斉藤慶子）からの一通の手紙だった。
その手紙は、一刀の妹・夕子（水島かおり）の全裸死体が親不知の海に上がった二日後に投函されていた。
この二つの事実を結びつけた時、一刀は脱獄を決意した。
連れの三人は、暴力団幹部で殺人傷害罪の岩田（西岡徳馬）、
窃盗罪の金井（段田安則）、そして詐欺罪の赤木（レオナルド熊）だった。
多摩刑務所を脱獄し、青梅線で終点奥多摩駅へ。
そこから六ツ石山、七ツ石山、竜喰山、将監小屋、笠取山、雁坂峠、朝日谷、上高地と山を越えて日本アルプスへ。
烏帽子から鹿島槍ヶ岳、沢蟹山、尻高山…そしてめざす日本海、親不知の海へ。
一刀ら4人の必死の逃亡は続く。
警察も面子にかけて逮捕しようと、一刀のかつての同僚で、
妹・夕子の恋人だった相馬刑事（田中隆三）を中心に大捜査隊を組織した。
刻々と迫る捜査の足音。
苛酷な大自然の試練の中で、いがみ合い、牙をむき出す野獣と化す逃亡者達。
山の中で拾った自殺未遂の女、由香里（水島かおり）は夕子と瓜二つ。
二億六千万円を男に貢いで捨てられた元銀行員で、同じく逃亡の身であった。
行き場のない由香里が一行に加わり、男達の狂暴さに火をつけることになった…。
赤木の墜落死、金井の骨折、由香里の下山、そして警察に包囲されての岩田の射殺…
一刀だけが復讐のどす黒い炎に燃えて親不知の海へ突き進んだ。
そして、そこで見たものは…。