返信

独身予備校講師の高見洋史（名高達郎）は都心のアパートの家賃が上がったのを機に郊外のマンションに移った。五階の窓から眼下の一軒家のガラス戸越しに色っぽい人妻風の女、中野寿子（松尾嘉代）がレオタード姿で体操をしているのが見えたので即決したのだ。引っ越した直後、教材会社の女セールスマン・村里よし江（鳥居恵子）が天体観測にとカメラつきの望遠鏡を売りに来た。高見はすぐに買った。
もちろんのぞきのためである。やがて高見は隣のサラリーマン・根本（下条アトム）をはじめ、のぞきの出来る階の全員がよし江に望遠鏡を売りつけられていることを知った。ある日、例によって悩ましい体操をのぞいていた高見は、寿子が年老いた夫にナイフで襲いかかられ、もみ合ううちに誤って死なせてしまった場面を目撃、夢中でシャッターを切った。寿子は殺人容疑で逮捕されたが、正当防衛を確信する高見は勇気をふるって証言台に立ち、
そのために予備校はクビになったものの彼女は無罪となった。感謝した寿子は一夜を高見に許したが、翌日姿をくらましてしまった。寿子をさがす高見は山陰の白兎海岸に飛び、やがて驚くべき真実をさぐり当てるのだった。